慢性腎臓病は、大人の8人に1人がかかっているといわれる国民病です。
そのうち毎年4万人以上の人が腎臓の代わりとなる治療方法が必要な末期腎不全に陥り、腎代替療法を始めています。
腎臓の代わりとなる治療方法は、血液透析・腹膜透析・腎臓移植の3つです。
本記事ではこれらの治療方法について、現役透析透析看護師がわかりやすく解説します。
血液透析
血液透析は機会を使って、血液をきれいにする治療方法です。
治療には腕に作成したシャントもしくは、体内に挿入したカテーテルを使用します。ポンプを使って血液を体の外に出し、ダイアライザーという装置の中に血液を通します。ダイアライザーを通った血液は水や老廃物を除去し、ミネラルのバランスを整えた状態で体内に戻っていくのです。
95%以上の患者さんが血液透析を選択しています。病院に週3回通う“施設透析”と、自宅で自分で透析をおこなう“在宅血液透析”があります。
治療時間は1回に3~4時間かかります。月水金もしくは火木土のペースでおこなわれるのが一般的です。
腹膜透析
腹膜透析はダイアライザーのかわりに、自分の内臓を覆っている腹膜を使用する透析方法です
。治療開始前に、腹膜の中にカテーテルを入れる手術をします。治療のたびにカテーテルの先に老廃物や水分の除去ができる“透析液”が入ったバックを接続し、腹腔内に透析液を注入します。
透析液をお腹の中に貯めている間に、腹膜を通して体内の老廃物や水が腹膜透析液の中に除去されます。
なお腹膜透析の場合は、血液を体の外に出したりすることはありません。
腎臓移植
腎臓移植とは他人から腎臓を提供してもらう治療方法です。
日本の生体腎移植の成績は世界でもトップクラス。
移植した腎臓が10年後も問題なく働いている患者さんは90%以上にのぼります。
日本でおこなわれる腎臓移植の種類とその割合
腎臓移植には大きくわけて2つの種類があります。
1つは生体腎移植といって、生きている人から腎臓をもらう方法です。生体腎移植は、国内の腎移植の90%を占めています。
もう1つは献腎移植といって、脳死・心停止した人から腎臓をもらう方法です。
献腎移植は腎移植全体の10%程度と極めて少なく、年間200件程度です。
まとめ
腎臓のかわりとなる治療には、血液透析・腹膜透析・腎臓移植の3種類があります。
いずれの治療も腎臓のかわりをするという点は共通していますが、一長一短あります。
ねふなびでは血液透析・腹膜透析・腎臓移植について詳しく紹介していきます。
どの治療がご自身に合っているのか、比較・検討の参考にしてください。